乳がんとは
「がん」は、「脳卒中」や「心筋梗塞」と並び、日本人の主な死因の一つです。
その中でも乳がんは、乳房内の「乳管」や「小葉」に発生するがんの総称で、罹患者のほとんどを女性が占めています。
乳がんは、他のがんと同様にライフスタイルの変化などの影響を受け、年々増加傾向にあります。
今後もさらに増加していくことが予想されています。
実は身近な病気
2021年の厚生労働省の調査によると、乳がんの年間罹患者数は約94,000人、死亡者数は約15,000人にのぼると報告されています。
また、30~64歳の女性におけるがん死亡数では、乳がんが胃がんを上回り第1位となっています。さらに、日本人女性の約9人に1人が、生涯のうちに乳がんにかかるといわれています。
これらのデータからも、乳がんは決して特別な病気ではなく、私たちにとって非常に身近な病気であることがお分かりいただけると思います。
大切なのは早期発見
がんの早期発見はがん治療を成功させる上で最も重要な要因の一つです。
幸いにして乳がんは乳房の状態を目で確認したり、しこりの有無を触って確認する「自己検診」で早期に発見することが可能です。また、多くの地方自治体ではマンモグラフィという乳房専用のレントゲン撮影による健康診断を実施し、乳がんの早期発見に努めています。
当センターでもマンモグラフィ検査装置を導入しておりますので、定期的に検査を受け、乳がんの早期発見にお役立てください。
乳房に異常を感じたら

乳房のしこりは、乳がん以外にも次のような原因で生じることがあります。
- 乳がん(硬い、境界不明瞭、表面結節状など)
- 乳腺症(圧痛のある硬結など)
- 線維腺腫(境界明瞭、表面平滑、可動性良好)
- のう胞(境界明瞭、多発も多い)
- 生理的乳腺組織(左右差など)
- 皮下腫瘍(粉瘤など)
- 乳腺炎(発赤、疼痛、局所熱感など)
乳房のしこりといっても、その原因は実にさまざまです。症状や状態によって対処方法は異なります。
また、「乳がんだったらどうしよう」と不安な気持ちを抱えたまま過ごすことは、精神的にも決して良いことではありません。
自己検診や健康診断で異常を指摘された場合はもちろん、少しでも「いつもと違う」「何かおかしい」と感じたときには、できるだけ早めに専門医の診察を受けることが大切です。
乳がんと診断されたら
医師に「乳がんの疑いがある」といわれれば、不安な気持ちになったり、恐怖感を抱いたりするのは当前です。だからといって、むやみに怖がる必要はありません。
乳がんはがんの中では比較的治療後の生存率の高いがんといわれ、早期発見し、適切な治療を受ければ、20年後の生存率は80%にのぼるというデータもあります。
当センターでは専門医や看護師、レントゲン技師といった乳がん治療のスペシャリストが乳がん治療に特化した設備で、乳がんの早期発見、質の高い適切な医療を提供することを目指しています。
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当クリニックを初めて受診される方へ
乳がんのステージ分類
がんが発見されると医師はがんの進行度合いに応じてどういう治療をするかを判断する必要があります。
そのためには、がんの進行度合い(病期)を示す病期分類が必要です。
下の表は世界中で普及しているTNM分類といい、当センターでもTNM分類に基づいた分類をしています。TNM分類では腫瘍の大きさと形状(T)、リンパ節の状態(N)、他の臓器への転移(M)の3つの要素から乳がんの病期を決定します。
◎ T 腫瘍の大きさと形状
T0 = 腫瘍のない状態
T1 = 2cm以下
T2 = 2.1≧5.0cm
T3 = 5cm以上
◎ N リンパ節の状態
N0 = 腫れていない
N1 = 腫れてかたい
N2 = 腫れてかたく動かない
N3 = 内胸部にまで転移している
◎ M 他の臓器への転移
M0 = 遠隔転移していない
M1 = 遠隔転移している
| 遠隔転移 | リンパ節 | 腫瘍の大きさ | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| T0 | T1 | T2 | T3 | T4 | ||
| M0 | N0 | 病期0 | 病期Ⅰ | 病期ⅡA | 病期ⅡB | 病期ⅢB |
| N1 | 病期ⅡA | 病期ⅡA | 病期ⅡB | 病期ⅢA | 病期ⅢB | |
| N2 | 病期ⅢA | 病期ⅢA | 病期ⅢA | 病期ⅢA | 病期ⅢB | |
| N3 | 病期ⅢC | 病期ⅢC | 病期ⅢC | 病期ⅢC | 病期ⅢC | |
| M1 | N1-N3 | 病期Ⅳ | 病期Ⅳ | 病期Ⅳ | 病期Ⅳ | 病期Ⅳ |
セカンドオピニオンについて
セカンドオピニオンとは、主治医の診断や治療方針について説明を受けたうえで、別の医師の意見を求めることをいいます。複数の専門医の見解を参考にすることで、ご自身にとってより納得のいく治療法を選択することができます。
当センターでは、セカンドオピニオンについても、治療を受ける患者さんのお考えを尊重し、積極的に推進しております。「現在受診している医療機関はあるが、セカンドオピニオンを受けたい」とお考えの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
また、他の医療機関の治療方針についても話を聞いてみたいと思われた際は、受診時にその旨をお伝えください。
南大和クリニック 乳がんセンターは、患者さんご自身が納得して治療法を選択できることを目指しています。
セカンドオピニオン料金
30分…16,500円(税込)
1時間…22,000円(税込)
※健康保険適用外のため全額自費となります
ご用意いただくもの
・紹介状(診療情報提供書)
・レントゲン、CT、MRIなどの画像データや、その他の検査結果
術後の診察について
術後の経過が安定している患者さんには、待ち時間の負担を軽減し、スムーズに診察やお薬の処方を受けていただけるよう、地域の専門医と連携に取り組んでおります。
地域のクリニックでの診察において問題が見つかった場合には、速やかに連絡を取り合い、当センターでの診察へと円滑にご案内いたします。
また、お住まいの地域で検診や乳腺症の経過観察を受けられている方で、精密検査や専門的な診察が必要と判断された場合には、当センターへのご紹介も受け付けております。
ピンクリボンとは※諸説あり

1980年代のアメリカの小さな町で、ひとりの女性が幼い娘を残して乳がんで亡くなりました。
その女性の母親は、乳がんによって大切な人を失う悲しみが二度と繰り返されないようにとの願いを込めて、孫であるその少女にピンクのリボンを手渡しました。
現在では、ピンクリボンは乳がんについて知り、考えるきっかけをつくる象徴として、また乳がんの撲滅や検診の早期受診を呼びかけるピンクリボン運動のシンボルマークとして、世界中に広まっています。日本でも多くの企業やさまざまな団体が協賛しており、当クリニックにおいても、乳がんセンター長の土井医師が神奈川ピンクリボンの代表を務め、ピンクリボン藤沢、ピンクリボン湘南と協力しながら、積極的に活動に取り組んでいます。
主な活動のひとつにライトアップイベントがあります。「ピンクリボンかながわin鎌倉」では大船観音が、また毎年9月の最終金曜日に開催される「ピンクリボンかながわ」では、神奈川県庁、横浜税関、横浜市開港記念会館、象の鼻パーク、よこはまコスモワールドの大観覧車「コスモクロック21」、グランモール公園などがピンク色にライトアップされ、乳がんの正しい知識の普及と早期受診の大切さを広く呼びかけています。